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スーパーファミコンソフト『魍魎戦記MADARA2』のアレンジアルバムです。
ゲームは1993年に発売されました。

魍魎戦記MADARAは大塚英志さん原作の漫画で、
OVAやノベル、ドラマCDなど、様々なメディアで展開していました。

ゲーム内容はオーソドックスなRPG。
ファミコンで発売された前作と比べて難易度(理不尽さ?)も抑えられ、
誰でも頑張ればエンディンを見られるようになりました。

ゲームでは、原作の主人公のマダラやキリンたちは登場しますが、
主人公はその子孫の神代斑や妹背すばる。
物語の舞台は現代の日本から始まります…


原曲の作曲はコナミ矩形波倶楽部が担当。
このアレンジアルバムの編曲を手がけたのは、
斉藤ネコさん、えとうなおこさん、大津真さんの3名。

斉藤ネコさんは
おもに、テレビドラマ『イマジン』、テレビアニメ『水色時代』の劇伴音楽や
『おかあさんといっしょ』の童謡などを手がけました。
また、谷山浩子さんや椎名林檎さん、たむらぱん、YUKIさんなど、
アーティストの楽曲の編曲やスタジオミュージシャンとして活動しています。

えとうなおこさんは
おもに、テレビドラマ『ルート225』や『あまちゃん』の劇伴音楽を作曲しました。

大津真さんは
斎藤ネコさんと共にバンド「Sunset Kids」として活動していました。
また、Phew、橋本一子さん、Poison Girl Friendなど、
アーティストへの楽曲提供などもおこなっています。


                      ★


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サウンドトラックの内容はディスクが1枚とライナーノーツが1冊。

ライナーノーツにはトラックリストと歌詞カード、
斎藤ネコさん、ボーカルを演じた國府田マリ子さんのプロフィール、
スタッフクレジット、広告ページ、
そして末尾には義見依久さんと守尾千貴さん、高橋明さん、
山田じゃんさんの4名による おまけ漫画が続いています。

右の画像を見ておわかりかもしれませんが、
2015年現在 改めてよく見るとライナーノーツの
おまけ漫画の絵柄にものすごく90年代当時の雰囲気がただよっています。
好き嫌いは分かれるかも。でも、この商品のメインは音楽ですから気にしない。


収録曲は10曲と、若干少なくも感じます。
ですが、それぞれの曲がボリューム多めとなっていますので
「物足りない!」なんてことはないはずです。

10曲目の『Lights ~遥かなる旅立ち~』のみ歌モノです。


                      ★


ゲーム音楽のアレンジというと、
「編曲者によって当たりはずれがあるから嫌!」という方もいるかもしれませんが、
特に原曲崩壊なアレンジをされている曲は収録されていませんでした。
大味といえば大味ですが、外してはいない。



オープニング曲、『オープニング ~転生の序章~』
いかにも「これから壮大な物語が始まる!」といった様子を感じ取れるアレンジです。

(大げさかもしれませんが)大河ドラマの劇伴として使われていても、
違和感を感じなさそう。弦楽器や管楽器(オカリナ?)、打楽器が
重厚な雰囲気を奏でています。



フィールド移動時の曲である『THEME OF MADARA2』
大陸の、とりわけ東洋の情景を思わせるアレンジです。
フィールド移動時の広大な世界を充分に表現しています。

対して、もうひとつのフィールドテーマである『天空の舞い』は
東洋の雰囲気を残しながらも、無機質な音色を駆使した
テクノ曲アレンジです。どことなく現代的。



『父から子へ』『Lily of the Valley』は管楽器や金管楽器他、
生の音が非常に落ち着き、眠る前にゆっくりと聴きたいアレンジです。
旅の途中、夜に焚き火を前に腰かけるような、そんな静かな曲。


『Ligts~遥かなる旅立ち~』は國府田マリ子さんのボーカルによる、
「魍魎戦記MADARA2」のテレビCM曲。ゲームでは流れませんでした。
最近のゲームやアニメではめっきり聴かなくなったようなさわやかな曲調。
冒険を唄う歌詞、國府田さんの声がどこか懐かしい。

カラオケで歌いたくなって、
デンモクで探してみても入っていなかったのが残念です。



全体的に大陸の情緒を感じるアレンジが多かったですが、
原作の世界観からして、間違ってはいないようにも感じます。
旅に行きたくなる…

そしてゲームミュージックというよりも、
テレビアニメの劇伴曲のようなアレンジがなされています。


                      ★


2015年現在、このCDに値段の高騰の様子は見られません。
むしろ、価格割れの傾向のほうが強いです。

ゲームで流れる原曲に対して思い入れが強い方には、あまりオススメできません。
ゲーム音楽のアレンジ盤に抵抗の無い方はどうぞ。

ちなみに『Lights』は國府田さんのアルバムにも収録されているようです。
この曲は自信を持って一聴の価値ありといえます。